日本酒の味覚

日本酒の味覚判定式

日本酒の味を大別する指標に「酸度」と「日本酒度」が表示されていることがあります。この2つの数字で日本酒の甘さや辛さ、濃醇さといった性格がわかるそうで、 下図のように4つの領域に色分けされた図でもって区分わけされた図が合わせて紹介されることが多いようです。

この指標の出典は国税庁醸造試験所 佐藤ら(1974)によるもので、アルコール度数17度前後の清酒の味を「酸度」と「直接還元糖量」から推定する回帰式を導出しました。 「直接還元糖量」が実用上使いにくいため、ある仮説のもと「日本酒度」から「直接還元糖量」を推定する近似式と組み合わせて最終的な結果を求めています。 日本酒度は比重をもとに求めるため、分析装置等を用いず簡便に現場で計測できる良さがあります。

元となった近似前の回帰式の決定係数は甘辛度で0.80, 濃淡で0.68です。官能試験の結果予測式として決定係数が0.80もあることは驚きますが、 日本酒の甘い・辛いは比較的意見が一致しやすいのでしょう。

さて、先の論文で佐藤らの式は日本酒度 $ N $、酸度 $ A $ に対して下記の通りとしています。

\[ \rm{甘辛度} Y = \frac{193593}{1443+N} - 1.16 A - 132.57 \]
+3 +2 +1 0 -1 -2 -3
非常に甘い かなり甘い 少し甘い どちらでもない 少し辛い かなり辛い 非常に辛い

さらに濃淡度について

\[ \rm{濃淡度} Z = \frac{94545}{1443+N} + 1.18 A - 68.54 \]
+3 +2 +1 0 -1 -2 -3
非常にこい かなりこい 少しこい どちらでもない 少しうすい かなりうすい 非常にうすい

自分の好みとの傾向

で、結局どうなのだろうと思っていくつか飲んだことのある日本酒で算出してみました。一部掲載します!好みとの相関はあいにく取れず…残念…!!

銘柄 種類 産地 日本酒度 酸度 甘辛度 濃淡
英勲 古都千年 純米大吟醸 京都 3 1.2 -0.1 -1.7
上勝 純米吟醸原酒 徳島 3 1 0.2 -2.0
松みどり 純米酒 神奈川 2.5 1.45 -0.3 -1.4
手取川 ひやおろし 純米大吟醸 石川 1. 1.4 -0.1 -1.4
磯自慢 純米吟醸 静岡 5. 1.3 -0.4 -1.7

参考

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